柏木陽介と朴智星 若いころのJ2は買ってでも

「才能ある若手にこそ挫折を経験させなければならない。挫折はその選手を成長させる最大の良薬だからである」
クライフの有名な言葉

僕の妻は柏木陽介が好きなようだ。
「サッカー選手にいい男がいない」と、ぶつぶつ言うのが最近の彼女の口癖なのだが、柏木陽介はちょっといいらしい。
なんで柏木がいいの、と質問をすると、「だって、どこにでもいるんだもん」との返事。
「はあ?」という感じの答えだ。
柏木が出ている試合を見ると、あら、と思うと柏木で、ここにも、あそこにも柏木、という感じで、私が来てほしい場所に必ずいるんだもん、とそんな感じらしい。
本当は顔がかわいいからじゃないのか、とか、マメな男がいいのか、とか反論したいところだが、「うんうん、なるほど、そういうことね」と頷くことにした。
でも確かにそうだ。それが好きになる理由かどうかは別にして、柏木はボールのあるところ、どこにでもいる。
カナダのワールドユースのときも、北京オリンピックの予選のときも、広島の試合でも、柏木陽介は、よく走る。前線と中盤をぐるぐる走り、スペースにどんどんつっこんでいって、ボールに必ず絡んでいる。そういう選手だ。
その柏木陽介が広島に残留し、J2でプレイすると聞いたときは、「本当にそれでいいのか」と疑問に思った。今でも、時々、そう思う。
日本サッカーの将来をになう有望なプレイヤーだとしたら、もっと高いレベルでプレイすべきではないのか、と余計な心配をする。
一説にはレアルマドリッドも関心を持った、という話まで出て、多くのチームが彼を欲しがったのに、ユース時代からの古巣でプレイすることを決断した。
まあ、その律儀な感じも、妻にはまたよいのだろうが・・・
柏木のことを考え、ネットで検索していると、いつの間にか韓国のサッカー選手 朴智星(パクチソン)にたどり着いていた。
J2から日本代表になった選手って、誰かいたっけかな、と思いながら「J2 代表」みたいにして、検索していたのだろう。
このあたりがインターネットの面白く、大好きなところだ。
検索をしていると、自分の脳みそに手がついて、思いもしない知のエリアに伸びていくような感じだ。
「ああ、朴智星がいたっけ」
いや、いたっけじゃない。朴智星は、アジアが誇る世界的な選手で、マンチェスター・ユナイテッドでプレイしている。あのマンチェスター・ユナイテッドである。
もちろん、朴智星のことを忘れたわけではなく、朴智星がJ2の京都から韓国代表に選ばれたという伝説を、すっかり忘れていたのだ。
「J2でも頑張れば代表に呼んでもらえる」
京都新聞に載っていた、当時の彼の言葉だ。
韓国代表で大活躍しようが、PSVに呼ばれようが、マンチェスター・ユナイテッドに移ろうが、朴智星は今でも、J2京都時代の経験が、とても貴重だったと繰り返し言っている。
何しろ、彼はワールドユースの代表に選ばれたときも、「今は京都が大事だから」といって、一度は断ろうとした、というのだ(FIFAの規定で出場せざるを得なかった)。
あの頃の京都は、今思うとすごかった。
松井大輔と朴智星がいたのだ。松井も、朴も、顔をマンガチックにしたら、そのまま少年サッカーマンガにでてきそうな配役だ。
そもそも、カズが京都にいて、そこに高校卒業をしたばかりの朴智星が来て、朴はカズに大きな影響を受けた。
そして、松井大輔は、そこで成長していく朴智星の姿に刺激を受けた。
J2に落ちて、カズも遠藤も抜けて、結果的に朴智星は、チームの中心選手として、活躍し、それが今の土台を作っている。
なんか、カズも含めた3人の関係といい、二人の成長と言い、なんかドラマな感じだ。
ネットの画面を見ながら、そういうことが柏木にも起こるのだろうか? と考えた。
J2に落ちた悔しさをばねに、代表へ、海外へ・・・・
柏木陽介をチームの中心選手として引き揚げたペトロビッチ監督も残っている。
今年の元旦、天皇杯の決勝で広島が負けたとき、ペトロビッチ監督の弁は「柏木がいなくて残念だった。いれば展開が変わっていた」というものだった(柏木は決勝戦、累積警告で出場していない)。
柏木陽介が今年、J2広島の中心として、チームを支えるのは、間違いないだろう。
柏木の成長は著しい。
2004年の高円宮杯で、はじめて彼を見て、その時は、それほど強い印象を受けなった。確かにうまい選手だなと思ったが、プロでやっていけるかどうかは疑問符がつくと思っていた。
それが、まさかこんな風に、広島のゴリさんが太鼓判を押し、J1でも大活躍をして、北京への原動力になり、広島の中心選手になり、自分の妻が好きになるなんて思いもしなかった。
もちろん、疑問符はいくつかつく。
柏木が、この先も成長をしていくかはわからない。
ペトロビッチが展開するオシム直伝のサッカーが、はたしてJ2の戦いにフィットするのか、その点も大きな疑問だ。
今シーズン、僕はJ2のスタジアムに足を運ぶ回数が増えそうだ。
J2を一度、じっくり見てみたい、という思いもあるのだが、、、やはり、そこに柏木陽介がプレイしているから、、、、
それも大きな理由になりそうだ。

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コメント

  1. しおり より:

    私は広島サポとして陽介が残留してくれたことを
    本当に嬉しく思います。
    12月8日、降格が決定した瞬間
    頭が真っ白になったのを覚えています。
    「私たちの大事なチームが降格した」
    決して受け入れたくない現実でした。
    だけど、その直後の寿人の言葉を聞いて
    これからもっと辛い闘いに向けて
    私たちサポーターも頑張ろう
    そう思えました。
    ですが
    駒野やウェズレイの完全移籍
    言葉を失いました。
    その時真っ先に思ったこと
    それが「柏木陽介の移籍」です。
    当然のようにこのことはとても騒がれ、誰もが
    気になっていました。
    柏や神戸などのJ1チームからのオファー
    さらには海外のクラブまでもが陽介を
    欲しがっていました。
    本人はとても苦しかったと思います。
    ですがそんな中で「チーム残留」を選び
    今季も広島で闘ってくれています。
    きっと多くのサポーターが彼の決断を
    喜んだはずです。
    そんな柏木陽介が今季活躍してくれるのは
    間違いありません!!
    チームではもちろん、五輪代表としての
    活躍を心から応援しています。
    レアルマドリッドが今夏の獲得を狙っている
    そうですが、せめてチームが昇格を果たすまでは
    広島で闘ってほしい。

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