モウリーニョとベニテス

私は監督としては若い。もし20年リバプールにいられるなら、もっと多くの決勝に出て、もっとたくさんのトロフィーを勝ち取ることができるだろう
“As a manager I’m young and if I’m at Liverpool for another 20 years, I hope to reach many more finals and win many more trophies,”
リバプール公式ホームページ 2005年5月5日のニュースより 20年赤く染まっていたい

ベニテスのこの言葉は、少し前のモウリーニョの言葉と一致しているように見えます。

このチームは特別だ。できるだけ長くここにとどまりたい。今の契約期間よりもずっと長くね“This group is really special – that’s why I want to stay with them for the maximum time, maybe for longer than the contract I have.”

モウリーニョとベニテス。一見してこの二人は似ていません。
でも、実は、この二人にはいくつかの共通点があるようです・・・
モウリーニョの経歴は、少し前の記事に書きました。(モウリーニョ 選手経験のない監督)
その経歴と比較しながらですが・・・
ベニテスも、バレンシアでは、スペインリーグで優勝 2回、UEFA杯でヨーロッパの優勝 1回。
国内リーグと、ヨーロッパの双方で、輝かしい経歴を残した二人。
ベニテスは、1960年生まれですので、今は45歳。モウリーニョよりも少し年上ですが、まあ同世代です。
監督としては、若い部類に入ります。
ベニテスの経歴を見てみると、やはり、モウリーニョと同じように、プロの第一線で活躍した選手ではありません。輝かしい経歴なく、ステップを踏みながらあがってきた二人。
ベニテスは、スペインの首都マドリッドに生まれ、順調にレアルマドリッドの育成組織で育ちます。
きっと子供のころは、地元でもトップクラスの選手だったのではないかと想像できます。
しかし、レアルのトップチームの壁は厚く、彼は一度もトップにあがることはありませんでした。その後、下のリーグなどで短い期間プレイしますが、結果は出ずに、選手を引退します。
その後、イングランドでコーチ学を学びます。イングランドで学ぶところは、モウリーニョと同じです。
(イングランドというのは、ヨーロッパの人々にとって、サッカーの教育を受ける場所なのでしょうか?)
モウリーニョほどではありませんが、ベニテスも、英語、イタリア語、スペイン語あたりを駆使するようです。ユベントスに勝利したあとの記者会見では、見事なイタリア語で話していました。
ベニテスは、コンピューターでの分析が好きで、選手の体力や体調のデータはすべて彼のパソコンに入っていると言われています。モウリーニョと同じように、試合中にメモを取ります。
緻密な守備と、カウンターを主体とするサッカーは、モウリーニョのサッカーと似ているように見えます。そして、イングランドには多少不似合いなタイプの戦術なのではないかと思います。
(私は素人なので、この点は、的外れかもしれませんが)
この二人は、なぜか、イタリア人監督のラニエリと縁があります。
チェルシーはモウリーニョと契約する前は、ラニエリが監督をしていました。
ラニエリは、ベニテスの後釜として、バレンシアの監督になります。
ベニテスのバレンシアも、実は、前任の監督がラニエリです。
ある意味、モウリーニョもベニテスも、ラニエリが基礎を組み立てたチームを預かって結果を出した、とも揶揄されています。
さて、そのベニテス。
そもそもリバプールのスター選手 オーエンを放出したのは、ベニテスの意向ではなかったかと言われています。突出した個人プレイヤーを嫌う点があるとしたら、その点は、個人よりもチームを優先するモウリーニョと同じ考え方なのかもしれません。
ポルトガルとスペイン。
ともに、ラテン系の雑音から逃れて、英国を舞台にヨーロッパの注目を集めようと動いた二人。
二人とも、英国のサッカーに集中できる環境と、サポーターのすばらしさを称えています。
一見した感じでは、モウリーニョの方が、悪巧みをする王様のように見えます。メディアをはじめ、モウリーニョには敵が多く、わざと敵を作るような発言をしています。見た目も、なんだか悪者の顔をしています。
それに比べれば、ベニテスのほうが敵が少なく、メディアやサポーターとも衝突せずに進めそうです。温和な顔も、親しみがあります。
しかし、本当にしたたかなのは、実はベニテスなのではないかと、そんな気がします。
ベニテスは、前のチーム バレンシアとは、契約期間を残しながら、GMと喧嘩をして退任します。
サポーターは、ベニテスの続投を望んで疑いませんでしたから、このニュースはスペインのサッカーファンに驚きを与えました。
ベニテス最後の会見は、彼の涙で終わります。
「バレンシアに残りたいのに、悪者オーナーのせいで去らなければならない」という悲劇の姿を印象付けたようです。
しかし、実際のところは、、、、
すでに涙の会見の時点で、リバプールとの5年契約を結んでいて、むしろ喧嘩をベニテスが仕組んだのではないか、という疑いも生じています。
ベニテスは、途中解約の件で、バレンシアと今も裁判中です。
モウリーニョ対ベニテス・・・・新しい争いの形です。

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コメント

  1. WebWalker より:

    こんばんは。
    僕もサッカーはよく見る人間なのですが、それも選手やサッカーの内容が好きなのではなくて、監督が好きなのだという変わり者です(笑
    その中でもとりわけ興味深く見ているうちの一人が、ジョゼ・モウリーニョ。
    彼関連のトピックは何個かあったのですが、全てに書き込むのも失礼なので、まとめてこちらに書かせて頂きます。
    彼の生き方は、凄いの一言ですよね。その道筋には、アイドル的な華やかさや格好良さは無く、泥にまみれ、彼が流した血の涙の跡によって出来た道。
    筋の通った言葉も、芯の通った信念も、その過程で築かれたものなのでしょうね。
    僕にはあんな生き方はできない、故に憧れ、格好良い。
    それは生き方だけではなくて、彼の監督としてのキャリアでも同じ。自分が何をするのが、チームにとって最善かを常に考え、常にそれを実践する。
    その為には人柱にもなり、悪役にもなり、批判を一手に引き受ける立場にも立つ。
    その心意気に感服したいです。
    これから彼がどんなパフォーマンスを見せ、どんな結果を残していくのかはまだまだ分からないけれど、
    彼が監督としてのキャリアを終えるその日まで、見ていたいと思います。
    つらつらと長文失礼。そのうちまた顔を出させて頂くやもしれませぬが、宜しくお願いします。

  2. glue より:

    WebWalker さん、コメントありがとうございます。
    私も、最近は選手よりも、監督の方が興味が強いようです。
    モウリーニョは、その中でも、とても自分に正直な監督だ、という印象を持っています。
    いろいろ物議をかもしていますが、それは、彼が正直だから、という感じがしています。
    glue

  3. ブラジル より:

    面白い記事ですね。

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