「仮にベンゲル監督を雇えるとしたら、A代表ではなく長期でU-20代表の監督に据えたほうが得だと思う」
西部 謙司 コラム 「U-20が強化のツボ ここでベースを作れ」
エルゴラッソ 2005年6月15・16日号
今、U-20のワールドユースの日本対ベナン(アフリカの国、ナイジェリアの隣の国)の試合を見ながら、このブログを書いている。
そのゲームを見ながら、ふと、この若いチームは、A代表と「何か」がつながっているのだろうか、と問いかけた・・・・
少し前の、U-23のアテネオリンピックを見たときも、同じことを思った。
果たして、希望に満ちた山本ジャパンは、ジーコのA代表と、何かリンクしているのだろうか、と・・・
現時点では「つながっていない」というのが答えだ。
世代の分断は広がっている。
今後、ジーコがどのような選手選考をしていくかはわからないが、もし、このまま若手を起用しなければ、ドイツ後の日本代表は、経験という財産を一気に失い、急激に苦しむことになる。
若手をA代表の下に置くのではなく、若手だからこそ、超一流の人間にまかせて、戦術やフォーメーションをつくりあげていく、、、そうすることで、日本代表を作り上げることが容易になる・・・と、そのような趣旨のことを、西部さんは書いている。
「日本はほっておくと、似たタイプのMFが大量生産される土壌がある」
西部さんにうなずく僕。そうだよね、、と。
トレセンやクラブチームのユースに個性的な選手が少ない。うまい選手は多いのに・・
「過去のU-20代表に、久保はいたのか? 中澤はいたのか?」
チームを作るとなると、たとえば、俊輔ばかりの11人ではチームにならない。
フォーメーションや戦術のベースがあれば、それぞれの役割にあった選手が自然と必要になる。
違った種類の人間が集まる個性的な集団になるはずだ。
「ベンゲルを育成にもってくる」というセンテンスにはインパクトがある。
一流の監督だが、それ以上に選手のポテンシャルを見出す力がベンゲルにはある。
それは、育成の指導者としても、一流の証ではないか、と思う。
ベンゲルのアーセナルとの契約は、もうすぐ切れる。
その後は、日本に来ることも考えている。そう勘違いしたくなる発言をベンゲルもしている。
可能性はかなり低いと思うが、彼が頭のどこかで「日本」を考えているのは間違いないだろう。
しかし、よく考えてみれば、それはベンゲルを呼べばすむ話ではない。
間違いなく「長期的」な取り組みでなければならないだろう。
上の指導者と、下の世代の指導者が、ベースの考え方でつながっている。
「これが日本のサッカーだ」と言えるものを共有している。
サッカーネーションになるには、そういう国になることが必要なのだろうか?
ちょっと今後も考えてみたいテーマだ。
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